※ この物語はフィクションです。
差出人のない手紙が、五人の友情そのものを戦場へ変えた。

夜、ゆうすけの郵便受けに差出人のない封筒があった。紙だけが不自然に冷たい。

予告されたのは、友情の試練。五人は文面より、誰が自分たちを見ていたかを考えた。

五人で消印を確かめる。観察者は遠くではなく、同じ街にいる。

翌朝、紫の影があいさつの間へ滑り込み、肩と肩の距離を広げた。

見る目と楔の体を持つダークフレンドシップ。関係の通路そのものを折る怪物だ。

仲間同士の言葉が尖る。前に乗り越えた噂の煙が、また胸へ入ってきた。

ゆうすけの手は、りょうたの肩の少し後ろで止まる。影が信頼の距離を引き延ばす。

たえは、誰かを責める前に立ち止まった。雨の夜に交わしたうなずきは、まだ消えていない。

怪物が隊列の中央へ楔を打つ。疑えば疑うほど、溝は深くなった。

ふかまっくすが一本の線を引き直す。正しさより先に、つながる場所を示した。

けんたが自分から一歩を渡す。正しさを競うだけでは、仲間の側へは戻れない。

五人は互いの腕をつかみ、赤、青、黄、緑、橙の列を作り直した。

五つの拳が楔の根元へ重なる。アンカレ・フレンドシップブラスト。

影は黒い布のように裂け、閉じられていた通路へ光が戻る。

街では、あいさつが疑いより先に出た。五人も肩を並べる。

手紙の差出人は最後まで空欄。りょうたは名指しせず、次の動きを待った。
つづく