※ この物語はフィクションです。
帰還した翌日、福岡の広場に時計の遺跡が生えた。
過去編を派手な冒険だけにせず、今の生活へ戻ってくる記憶として見せる。
宇宙から戻った地上に時計の遺跡が現れ、五人は過去の戦場へ進む。

帰還した翌日、福岡の広場に時計の遺跡が生えた。現れる瞬間だけが記録から抜けている。

冷たい石の針と、落ちない砂。時間を触る同じ系統が、地面まで来た。

五人は人々を安全な距離へ下げ、自分たちだけで不安の輪の内側へ入る。

円い扉が開く。タクヤが来た夜と同じ耳鳴りが、現在を二重にした。

けんたが境界へ片足を置き、振り返った。
けんた歴史を見るんじゃない。迎えに行くぞ。

扉の向こうは煙と古い金属の音。過去の守り手たちが、消えかけた旗を支えていた。

タイムジャッカーが、旗から色と記憶を吸い取る。歴史を盗む時間系統の実行役だ。

過去は懐かしい場所ではない。今の足を、誰がここまで運んだかを知る場所だ。

五人は過去の守り手の横へ並んだ。歴史は眺めるものではなく、今へ渡すものだ。

ゆうすけの回転が、乱れた足並みに同じ拍を戻していく。

二人が石の溝と刃の向きを読み、時間の攻撃を正面で受け止めた。

りょうたの拳が、歴史を奪う装置をタイムジャッカーの手から外す。

二つの時代の拳が同じ瞬間へ集まり、タイムジャッカーを押し返した。

戦いのあと、石と同じ模様を持つ時間メダルがりょうたの掌に残る。

扉が閉じ、遺跡は地面へ沈む。今の福岡の時計が、正しい歩幅を取り戻した。

消えた履歴だけが残った。遺跡は閉じても、触れた手はまだ近い。
つづく
未解決記録
遺跡の床には、まだ歩いていない五人の足跡があった。ただし五人目だけ輪郭がなく、白い点が空欄のまま明滅していた。