2026年9月27日(日)、WBC世界バンタム級(体重53.52kg以下の階級)王者・井上拓真選手と、同級1位・那須川天心選手が再び拳を交えます。舞台は東京・江東区のTOYOTA ARENA TOKYO。大会名は『Prime Video Boxing 16』です。

2025年11月24日の初戦は、井上選手が3-0の判定勝ち。那須川選手にとっては、キックボクシング時代を含めて初めて味わった公式戦での敗北でした。それから約10カ月。王者は井岡一翔選手を退けて初防衛を果たし、挑戦者は元世界王者ファン・フランシスコ・エストラーダ選手を9回終了TKOで下して挑戦権を取り戻しています。

今回の予想を先にお伝えすると、アンカレッジ編集部の本命は「井上拓真選手の判定勝ち」です。予想比率は井上選手65、那須川選手35。ただし初戦より差は縮まり、終盤まで採点が読みにくい試合になる可能性は十分にあります。早い回のKOより、12ラウンドを積み上げる展開を本線と見ます。

この記事では、初戦で何が起きたのか、両者はどこを変えたのか、リーチ差と構えの違いがどう効くのか、那須川選手が覆すには何が必要なのかを、格闘技に詳しくない方にもわかる言葉で解説します。福岡のキックボクシングジムとして、画面の中の動きを「自分の体で再現するとどこが難しいか」まで落として書きます。

井上拓真選手(左)と那須川天心選手(右)。出典: Prime Video JP公式YouTube「井上拓真 vs 那須川天心2 再戦」。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

井上拓真vs那須川天心2の試合概要

項目 内容
大会名 Prime Video Boxing 16
開催日 2026年9月27日(日)
会場 TOYOTA ARENA TOKYO(東京都江東区青海)
試合 WBC世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦
王者 井上拓真(大橋)24戦22勝(5KO)2敗
挑戦者 那須川天心(帝拳)9戦8勝(3KO)1敗
開場 / 第1試合 16:00 / 16:30
配信 Prime Videoで独占ライブ配信。公式案内は17:00開始
解説 山中慎介氏、村田諒太氏、内山高志会長

メインイベントの開始時刻は、前の試合の進行によって変わります。サンケイスポーツの報道では、Prime Videoの生配信は第2試合からとされています。視聴する方は、17時前後には配信を開いておくのがおすすめです。試合順は2026年9月20日時点でも公式は「未定」のままです。

TOYOTA ARENA TOKYOの外観

再戦の会場、TOYOTA ARENA TOKYO。写真: Souka Kinmei、Wikimedia CommonsCC BY 4.0(加工なし)。

会場は2025年10月に開業したばかりのアリーナで、初戦と同じ場所です。那須川選手にとっては「初めて負けたリング」への再入場、井上選手にとっては「ベルトを取り戻したリング」での初防衛2戦目になります。場所の記憶がある分、序盤の入り方は初戦以上に慎重にも、感情的にもなり得ます。

両者の現在地

項目 井上拓真 那須川天心
所属 大橋ボクシングジム 帝拳ボクシングジム
年齢(試合当日) 30歳 28歳
身長 / リーチ 164cm / 163cm 165cm / 176cm
構え 右(オーソドックス) 左(サウスポー)
戦績 24戦22勝(5KO)2敗 9戦8勝(3KO)1敗
直近 2026年5月2日、井岡一翔に判定勝ち 2026年4月11日、エストラーダに9回終了TKO
トレーナー 井上真吾 粟生隆寛、葛西裕一

数字だけ見ると、身長はほぼ同じです。差が大きいのはリーチ(腕を伸ばしたときの長さ)です。那須川選手は176cm、井上選手は163cm。13cmの差は、ジャブが届く・届かないの境界を大きく動かします。一方で井上選手は世界戦8度の経験があり、12ラウンドの採点の取り方では明らかに上です。

井上拓真選手の公開練習。出典: Prime Video JP公式YouTube『Prime Video Boxing 16』井上拓真 公開練習。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

那須川天心選手の公開練習。出典: Prime Video JP公式YouTube『Prime Video Boxing 16』那須川天心 公開練習。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

公開練習の映像では、井上選手はコンパクトなガードと短いステップ、那須川選手は速い出入りと左の伸びが目立ちます。映像の印象だけで勝敗は決まりませんが、「どちらが自分の距離で打てているか」を見るには十分な材料です。那須川選手は公開練習で、初戦の距離への戸惑いを認めたうえで、練習環境を変えて原点から組み直したことを語っています。

初戦は井上拓真が3ラウンド目から主導権を取った

2025年11月24日の初戦は、井上選手が判定3-0で勝利しました。公式採点は117-111、116-112、116-112。10点法(各ラウンドの勝者に10点、敗者に9点以下を付ける採点)で見ると、12ラウンド中おおよそ8対4、あるいは9対3程度の差です。一発で流れを変える派手な倒し合いではなく、距離、手数、有効打(ジャッジが「当たった」と認めるパンチ)、守備を含めたラウンドごとの完成度で井上選手が上回った試合です。

Amazon公式の振り返りでは、1回と2回は那須川選手がスピードを生かして好スタートを切り、3回から井上選手がプレッシャーを強めて主導権を掌握した、と整理されています。この「序盤2ラウンドは挑戦者、中盤以降は王者」という流れが、再戦の最大の論点です。

那須川選手は独特のタイミングと反応速度を見せました。フェイントで井上選手の足を止め、左ストレートで先に触る。キックボクシングで培った「当てさせずに当てる」感覚は、ボクシングのリングでも序盤は通っていました。ただし井上選手はその速さだけを追いかけませんでした。フェイントにすぐ反応せず、打ち終わりを狙い、必要な場面で前に出る。12ラウンドを通して「採点を取るボクシング」を崩さなかった点が大きな差です。

再戦では、那須川選手が単にパンチを増やすだけでは足りません。井上選手に考える時間を与えず、自分のテンポでラウンドを始めて終えることが必要になります。初戦の映像を見返すなら、派手な一発より「3ラウンド目に井上選手が半歩前に出始めた瞬間」を見るのがおすすめです。そこで距離の主導権が移っています。

初戦の公式映像。出典: Prime Video JP公式YouTube「WBC世界バンタム級王座決定戦 那須川天心 vs 井上拓真(2025年11月24日)」。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

初戦の採点が大差に見えた理由は、中盤以降に那須川選手の出入りが浅くなり、井上選手のジャブとカウンターが「見えるパンチ」として積み重なったからです。キックでは1発のキックや飛び技で流れを戻せます。ボクシングの12回戦では、戻す手段がパンチと歩幅しかありません。那須川選手が再戦で変えるべきなのは、威力そのものより「ラウンドの終わり方」です。

井上拓真は井岡戦で「止めるパンチ」も見せた

井上選手は2026年5月2日、東京ドームで井岡一翔選手を判定で退けて王座を初防衛しました。2回に連打でダウン、3回に右アッパーで2度目のダウン。採点は120-106、119-107、118-108。ほぼ全ラウンドを取る内容で、井岡選手の5階級制覇を阻止しました。

この試合の意味は「強い相手に勝った」だけではありません。井上選手は判定勝ちの多い選手で、KO率は高くありません。24戦22勝のうちKOは5。だからこそ、井岡戦で序盤にダウンを奪えたことは、再戦の那須川選手にとっても無視できない材料です。初戦で見せた距離管理に、止めるパンチが加わった、と見るべきです。

井上拓真選手がWBA王座を防衛したアンカハス戦。出典: Prime Video JP公式YouTube「WBA世界バンタム級タイトルマッチ 井上拓真 vs ジェルウィン・アンカハス(2024年2月24日)」。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

一方で、井上選手のキャリアには明確な敗北もあります。2019年のノルディーヌ・ウバーリ戦、2024年の堤聖也戦。どちらも判定負けで、相手のペースに飲み込まれた試合でした。那須川選手が勝つなら、この「井上選手が読み切れなかったリズム」を12ラウンド維持する必要があります。逆に言えば、井上選手が中盤までに型を作れば、過去の世界戦と同じようにラウンドを回収していく可能性が高いです。

父でありトレーナーの井上真吾氏のもとで、井上選手は「相手の速さに同じ速さで対抗しない」ボクシングを徹底してきました。兄・井上尚弥選手のような一発の破壊力ではなく、半歩の位置取りで相手の武器を無効化する。初戦の那須川選手に対しても、その型は機能しました。井岡戦を挟んだいま、その型はより厚くなっていると見ます。

那須川天心はエストラーダ戦で「相手を止める」を示した

那須川選手は2026年4月11日、両国国技館で元世界2階級制覇王者ファン・フランシスコ・エストラーダ選手に9回終了TKO勝ち。キック転向後の課題に挙げられてきた「相手を止める攻撃」を、強豪相手に結果として示しました。4回終了時はジャッジ1人のみが那須川リードの接戦でしたが、8回終了時は77-75、78-74、79-73。ボディを中心にダメージを溜め、相手陣営の棄権を引き出す内容でした。

この試合の前後で、那須川選手は葛西裕一トレーナーの指導を本格的に取り入れています。読売新聞の報道では、初黒星を受けて苦手な近距離の対策を練ってきた、とあります。キック時代の「触らせずに当てる」に、ボクシングで必要な「ボディで足を止める」が加わったかどうか。再戦の見どころはここに集約されます。

挑戦者決定戦となったエストラーダ戦。出典: Prime Video JP公式YouTube「WBC世界バンタム級挑戦者決定戦 那須川天心 vs ファン・フランシスコ・エストラーダ(2026年4月11日)」。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

2023年の那須川天心選手

那須川天心選手(2023年)。写真: RuinDig / Yuki Uchida、Wikimedia CommonsCC BY 4.0(加工なし)。

エストラーダ戦後、那須川選手はリング上で涙を見せ「勝つってこんなにうれしいんですね」と話しました。初黒星のあとの再起戦で、勝つ感覚を身体で取り戻したことは大きいです。ただしエストラーダ選手と井上選手では、距離の取り方が違います。エストラーダ選手は前に出るタイプで、那須川選手のスピードが生きやすい相手でした。井上選手は半歩下がり、打ち終わりを狙い、必要なときだけ前に出ます。同じTKOパターンを再現できるとは限りません。

那須川選手のボクシング転向は2023年。キック42戦42勝、MMA4戦4勝のあと、プロボクシングはまだ9戦です。世界戦の経験は初戦の1度だけ。井上選手の8度と比べると、12ラウンドの「空気の読み方」ではまだ差があります。再戦で埋めるべきなのは、パンチの速さではなく、ラウンドをどう終わらせるかです。

有明で撮影された那須川天心選手

那須川天心選手(2023年12月、有明コロシアム)。写真: RuinDig / Yuki Uchida、Wikimedia CommonsCC BY 4.0(加工なし)。

スタイル比較|右対左、リーチ13cmの意味

再戦を見るうえで、初心者が最初に覚えると試合が面白くなるポイントは2つです。構えとリーチです。

井上選手はオーソドックス(左足・左手を前にする右構え)。那須川選手はサウスポー(右足・右手を前にする左構え)。この組み合わせでは、両者の前手がぶつかりやすく、お互いの利き拳が外側に来ます。ジャブの軌道が交差するため、距離を間違えると一気にカウンターを浴びます。キックボクシングでも左右の構え違いは重要ですが、ボクシングはキックが使えない分、この交差がより純粋に出ます。

リーチは那須川選手が13cm長い。同じ体重でも、腕が長い選手は「半歩外」から触れます。那須川選手がリーチを生かせば、井上選手は内側に入らない限り有効打を増やせません。逆に井上選手が胸の距離まで入れば、短いリーチはむしろインファイト(接近戦)で利点になります。初戦で井上選手が中盤以降に主導権を取れたのは、この「外を捨てて内を取る」判断が早かったからです。

再戦に向けた密着映像。出典: Prime Video JP公式YouTube『Prime Video Boxing 16』井上拓真 vs 那須川天心2 再戦・密着ドキュメンタリー③ Part1。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

ジムでミットを持つ側から見ると、サウスポーの左ストレートは「見えているのに間に合わない」パンチです。初心者がやりがちなのは、相手の左を目で追って上体を反らすこと。それだと次の右が入ります。井上選手は初戦、目で追わず、足で角度を変えました。那須川選手が再戦で同じ左を見せるなら、井上選手はさらに短いステップで内側へ入ってくるはずです。

勝敗を分ける5つのポイント

1. 那須川天心が序盤4ラウンドを取れるか

那須川選手の最大の武器は、踏み込みの速さと独特のリズムです。序盤から左ストレート、右のジャブ、フェイントを組み合わせ、井上選手が対応する前にポイントを先行できれば、試合の景色は初戦と変わります。Amazon公式も、初戦の1回と2回は那須川選手のスピードが通っていたと書いています。再戦では、それを4ラウンドまで伸ばせるかが分岐点です。

反対に、様子を見ながら中間距離にとどまる時間が長いと、井上選手が距離とタイミングを読み始めます。那須川選手にとって序盤は「研究の時間」ではなく、採点を取りに行く時間です。

2. 井上拓真が距離を修正するまでの速さ

井上選手の強みは、相手の速さに同じ速さで対抗するのではなく、立ち位置とタイミングで無効化できることです。那須川選手の踏み込みに対して半歩下がるのか、先に前へ出てスペースを消すのか。中盤までに最適な答えを見つけられれば、再び井上選手のペースになります。初戦は3ラウンド目からその修正が始まりました。再戦で修正が5ラウンド以降にずれれば、那須川選手の勝ち筋が太くなります。

3. サウスポーの左を、井上が「見てから」処理しないか

構え違いの試合では、見てから避けると遅れます。井上選手が左ストレートを予測して角度を変えられるか。那須川選手が左を見せたあとに右のフックやボディを重ねられるか。この応酬が中盤の採点を分けます。キック経験者の那須川選手は、フェイントの種類が多い。井上選手がフェイントに釣られる時間が長いほど、リーチ差は那須川選手に有利に働きます。

4. ボディで足を止められるか

エストラーダ戦で那須川選手が示したのは、顔だけでなくボディで試合を終わらせる能力です。井上選手の足が止まるかどうかは、再戦の中盤以降を決めます。井上選手も井岡戦でボディと連打を使っています。お互いがボディを意識する試合は、見た目の派手さより「どれだけ前足が残るか」が重要です。画面では顔のパンチに目が行きがちですが、足が止まる選手は次のラウンドでジャブが短くなります。

5. 10ラウンド以降に手数と精度を保てるか

12回戦では、序盤の鮮やかな一発と同じように、終盤の地味でも正確な一発が1ラウンドを左右します。井上選手には世界戦を重ねてきた経験があります。那須川選手が勝つには、前半だけでなく10ラウンド以降も足を止めず、攻撃後に相手の正面へ残らないことが重要です。キックの3分3ラウンドとは、集中力の配分が違います。

両者の準備を追った密着第2弾。出典: Prime Video JP公式YouTube『Prime Video Boxing 16』井上拓真 vs 那須川天心2 ・密着ドキュメンタリー②。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

アンカレッジの試合予想

最終予想は、井上拓真選手の判定勝ちです。比率は65対35。KO決着は副線、那須川選手の判定勝ちは「序盤に3ラウンド以上を先行できた場合」に限ると見ます。

理由は3点です。第一に、初戦で示した距離調整が井岡戦を経て厚くなっていること。第二に、12ラウンドの採点の取り方で経験差がまだ大きいこと。第三に、那須川選手の成長は本物でも、井上選手は「速さに付き合わない」型を崩していないこと。KO率と両者の戦い方を踏まえても、早い回の決着より判定まで進む展開を本線と見ます。

ただし、那須川選手が序盤に3ラウンド以上を先行し、井上選手に追う展開を強いることができれば逆転はあります。那須川選手の勝ち筋は、強打だけに頼ることではなく、速い出入りと角度を最後まで維持して「触らせずに当てる時間」を増やすことです。リーチ13cmは、その時間を作るための最大の武器です。

予想される展開は次のとおりです。

  1. 1〜4ラウンドは那須川選手が速い出入りで先手を狙う
  2. 5〜8ラウンドに井上選手が距離を修正し、有効打を増やす
  3. 9〜12ラウンドは井上選手が手堅くラウンドを回収する
  4. 大差ではないものの、井上選手が明確な判定で防衛する

副次シナリオは2つです。那須川選手がボディで井上選手の足を止めた場合は、中盤以降も挑戦者がラウンドを取れます。反対に、井上選手が井岡戦のように序盤から内側に入ってダウンを奪えば、那須川選手は追う展開を強いられます。どちらも本線より確率は低いと考えます。

再戦の事前告知。出典: Prime Video JP公式YouTube『Prime Video Boxing 16』井上拓真 vs 那須川天心2 再戦・事前告知30秒。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

井上が勝つ条件、那須川が勝つ条件

井上選手が勝つ条件は、シンプルです。3ラウンド目までに相手のリズムを「見てから」ではなく「位置で」処理すること。ジャブで前足を止め、打ち終わりに短い右を重ねる。接近したあとに正面へ残らず、斜めに抜ける。これを12ラウンド繰り返せば、採点は自然に積み上がります。井岡戦で見せたダウンは、取れれば保険になりますが、狙いに行く必要はありません。

那須川選手が勝つ条件は、より具体的です。

  1. 最初の4ラウンドで、少なくとも3ラウンドを取る
  2. 左ストレートを単発で終わらせず、ボディか右へつなぐ
  3. 井上選手が内側に入ってきたとき、クリンチ(組み付き)で時間を売るのではなく、角度を変えて打ち返す
  4. 8ラウンド以降も、攻撃後に相手の正面へ残らない
  5. 公開採点で負けていても、10ラウンド以降に足を止めない

キック出身の選手がボクシングの12回戦で負ける典型は、中盤に「1発で流れを戻そう」として大振りになることです。那須川選手がエストラーダ戦で見せたのは、その逆でした。ボディで削り、相手の棄権を待つ。再戦でもその冷静さが残るなら、65対35の数字はさらに接近します。

決戦直前の密着後半。出典: Prime Video JP公式YouTube『Prime Video Boxing 16』4大世界戦 ・密着ドキュメンタリー③ Part2。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

同じ日の世界戦|前座も見どころが多い

メインだけでなく、同日に世界戦が3試合予定されています。試合順は未定です。

試合 カード 備考
WBC世界バンタム級タイトルマッチ 井上拓真 vs 那須川天心 メイン。再戦
IBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦 西田凌佑 vs サム・グッドマン 技巧派同士。井上尚弥選手の階級で暫定王座を設けるカード
WBC世界スーパーフライ級王座決定戦 坪井智也 vs リカルド・マラジカ アマ強豪の坪井選手がプロ4戦目で世界挑戦
WBO世界ミニマム級暫定王座決定戦 松本流星 vs ラッセル・アコスタ 8月28日に帝拳が追加発表

西田選手はサウスポーの技巧派で、元IBFバンタム級王者。グッドマン選手は井上尚弥選手への挑戦が負傷で2度流れたあと、フェザー級でも世界挑戦しています。坪井選手はプロ転向からまだ4戦ですが、元世界王者クラスを相手にしてきた内容は濃い。メインの前に「距離とジャブ」を見る練習として、この2試合は非常に参考になります。

放送・配信はPrime Video

大会はPrime Videoで独占ライブ配信されます。Amazonプライム会員は追加料金なしで視聴できます。公式のライブ配信開始は17:00。開場は16:00、第1試合は16:30予定です。メインイベントの正確な時刻は当日の進行次第です。

解説は元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏、元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太氏、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者でKODLABの内山高志会長。バンタム級の距離感を知る解説者と、世界戦の経験者が並ぶ顔ぶれです。初心者は、解説が「今のラウンドはどちらが前に出ているか」を口にしたタイミングで、画面の歩幅を確認すると理解が早いです。

試合順や開始時刻は変更される場合があるため、当日はPrime Video Boxing 16の公式案内をご確認ください。8月5日から9月27日までは、過去14試合の無料見放題も配信されています。初戦とエストラーダ戦は、再戦の前に見ておくと論点が見えやすくなります。

初戦直前の井上拓真選手。出典: Prime Video JP公式YouTube『Prime Video Boxing 14』井上拓真 公開練習。公式動画をページ内で埋め込み再生しています。

初心者向け|画面のどこを見ればよいか

ボクシング観戦が初めての方は、顔のパンチだけを追うと疲れます。次の5つだけ見てください。

  1. 前足の位置。前に出ている選手が、そのラウンドの主導権を持っていることが多いです。
  2. ジャブが相手の手袋に当たっているか、顔に当たっているか。手袋に当たるだけでは有効打になりにくいです。
  3. 攻撃したあと、同じ場所に残っていないか。残っている選手は次に打たれます。
  4. ラウンド終了の10秒。ジャッジは終わり際の印象を覚えやすいです。
  5. コーナーに戻ったときの呼吸。口が大きく開いている選手は、次のラウンドで歩幅が短くなりやすいです。

キックボクシングを知っている方は、「キックが使えない分、歩幅がすべて」と考えると分かりやすいです。那須川選手の速さは、キックでは膝と踏み込みで増幅できました。ボクシングでは、その速さをパンチとステップだけで12ラウンド維持しなければなりません。井上選手の強さは、その制限の中で「急がない」選択ができることです。

福岡のキックボクシングジムでミットを持つと、トップ選手の細かな動きの難しさがよく分かります。画面では小さく見える半歩が、実際には体重移動の全部です。再戦を見たあとでミットを1ラウンド打ってみると、井上選手がなぜ急がなかったのか、那須川選手の左がなぜ届くのかが、体感として残ります。

よくある質問

井上拓真vs那須川天心2はどっちが勝つと予想しますか?

アンカレッジ編集部は井上拓真選手の判定勝ちを予想します。比率は65対35です。初戦で示した距離調整と12ラウンドの安定感、井岡戦での修正力を評価しています。ただし、那須川天心選手が序盤からポイントを先行できれば、判定が競る可能性があります。

初戦はどちらが勝ちましたか?

2025年11月24日の初戦は、井上拓真選手が3-0の判定で勝利しました。採点は117-111、116-112、116-112でした。1回と2回は那須川選手のスピードが通っていましたが、3回から井上選手が主導権を取りました。

那須川天心は初戦のあと何を変えましたか?

練習環境を見直し、葛西裕一トレーナーのもとで近距離とボディを強化したと報じられています。その成果が2026年4月11日のエストラーダ戦で、9回終了TKOという形になりました。再戦では、そのボディが井上選手の足を止められるかが焦点です。

リーチ差はどちらが有利ですか?

数字の上では那須川選手が13cm長いので、外の距離では那須川選手が有利です。ただし井上選手は初戦、内側に入ってリーチ差を消しました。リーチは「長い方が必ず勝つ」武器ではなく、「どの距離で試合をするか」を決める材料です。

試合は何時からですか?

開場16:00、第1試合は16:30開始予定です。Prime Videoの独占ライブ配信は17:00開始と案内されています。メインイベントの正確な開始時刻は、前の試合の進行によって変わります。

どこで見られますか?

Prime Videoで独占ライブ配信されます。日本のAmazonプライム会員は追加料金なしで視聴できます。地上波での同時放送は、公式案内では確認できていません。

KOで終わる可能性はありますか?

あります。ただし本線は判定です。井上選手のKO率は高くなく、那須川選手も初戦では倒し切れていません。エストラーダ戦のようなボディでのTKO、井岡戦のような序盤ダウンからのストップは、どちらも副線として見ておくべき展開です。

観戦して体を動かしたくなった方へ

パンチの速さだけでなく、構え、距離、重心移動に注目すると、ボクシング観戦はもっと面白くなります。そして実際にミットを打ってみると、トップ選手が行っている細かな動きの難しさも体感できます。半歩下がる、半歩入る、打ったあとに正面へ残らない。言葉にすると短い動作ほど、体では一番難しいです。

福岡のキックボクシングジム「アンカレッジ」では、博多駅前・大橋駅前・荒江四角・長浜の4店舗で、初心者向けの見学・体験を受け付けています。体験では対人での打ち合いを行わず、基本フォームとミット打ちを中心に約60分で進めます。試合を見て「自分もパンチを打ってみたい」と思った方は、アンカレッジの見学・体験案内をご覧ください。

参考資料

用語解説

用語 意味
WBC 世界ボクシング評議会。世界王座を認定する主要団体の一つ
バンタム級 体重53.52kg以下の階級
判定 規定ラウンドで決着しない場合に、ジャッジの採点で勝敗を決めること
10点法 各ラウンドの勝者に10点、敗者に9点以下を付ける採点方式
有効打 相手に明確に当たり、効果が認められるパンチ
TKO レフェリーや陣営の判断などで試合を止めるテクニカルノックアウト
オーソドックス 左足・左手を前に置く右構え
サウスポー 右足・右手を前に置く左構え
リーチ 両腕を横に伸ばしたときの長さ。パンチが届く距離の目安
インファイト 接近して短いパンチを打ち合う戦い方
ジャブ 前手で突く直線のパンチ。距離を測り、相手の動きを止める
クリンチ 相手と組み付いて攻撃を止める動作