※ この物語はフィクションです。

閉店後のジムに、椅子が並んだ。一人目が入った瞬間から、喧嘩が始まる。

夜の博多をジムへ向かうりょうた

夜の博多。恋も喧嘩も、上等の合宿が始まる。

折りたたみ椅子が並ぶ夜のジム

リングの前に、教室みたいな椅子。まだ誰も座っていない。

一人で椅子に座るりょうた

りょうたが先に入っている。一人目は、待っている漢だ。

入口のけんと椅子のりょうたが目を合わせる

けんたが入口に立つ。目が合った。

襟を掴み合うりょうたとけんた

りょうた何見てんだ。

掴み合う二人に座れと指差すゆうすけ

ゆうすけ座れよ。恋しに来てんだろ。

隣の椅子で拳を合わせる二人

着席した途端、拳が当たる。

けんたよろしくなあ。

入口のたえを見て固まるりょうたとけんた

たえが立った。空気が止まる。

ご飯をよそうふかまっくす

ふかまっくす飯だ。

空の下駄箱に手紙を入れる手

土間が、下駄箱になる。手紙と〇×は、ここに入れる。

ピンクの靴の上に溢れる手紙

たえの箱だけ、溢れる。

拳を合わせる二人を横で見るたえ

たえあれは、ラブ上等だわ。

空の下駄箱を見て笑うりょうた

りょうたの箱は空だ。それでも笑っている。

溢れた手紙を見て燃えるけんた

けんたは、溢れた箱を見て燃える。恋も喧嘩も、同じ速度だ。

同じ床で眠るりょうたとけんた

掴み合った二人は、同じ床で寝ている。

無人の椅子に残った白い封筒

空いた椅子に、開かれない手紙が一つ残った。差出人は、まだ分からない。

つづく

未解決記録

空いた椅子の手紙には、宛名も名前もなかった。初日に誰が置いたのか、朝まで分からない。